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Non-Isothermal CSTR

【MAL-Seeker 実行記録】非等温CSTRの多重定常状態解析

$$f_1(x_1, x_2) = 1 - x_1 - 0.05 \cdot x_1 \cdot \exp(x_2) = 0$$ $$f_2(x_1, x_2) = 0.4 \cdot x_1 \cdot \exp(x_2) - 1.3 \cdot x_2 = 0$$

Variables: $x_1$ (無次元濃度), $x_2$ (無次元温度)
Search Bounds: $[-10.0, 10.0]$

1. 対象となる方程式(化学反応器の熱暴走リスク)

今回対象としたのは、化学工学における世界標準の非線形ベンチマーク「非等温CSTR(連続槽型反応器)」の物質収支およびエネルギー収支を表す方程式です。

発熱反応による温度上昇と、冷却システムによる除熱のバランスが拮抗することで、特定の条件下では複数の定常状態(解)が同時に存在する「解の多重性」が生じます。

2. 実行結果

MAL-Seeker (Project Bellatrix V1.0.0) を用いた全解探索の最終ログです。

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  🏆 CSTR STEADY-STATE MULTIPLICITY 🏆
  Found 3 Unique Roots
  Execution Time: 1.926944 seconds
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Root 1: (0.9275770, 0.4456797)  [Extinguished State]
Root 2: (0.5378303, 2.8441215)  [Saddle Point]
Root 3: (0.0568933, 5.8037333)  [Ignited State]

探索空間内に存在する3つの解を、約1.9秒で完全に捕捉しました。それぞれの解は以下の物理的状態を意味しています。

  • Root 1(低温・高濃度): 鎮火安定状態。反応がほとんど進まず、原料がそのまま素通りしている状態。
  • Root 2(中間状態): サドルポイント(不安定解)。わずかな温度変化でRoot 1かRoot 3に転落してしまう、綱渡りのような状態。
  • Root 3(高温・低濃度): 反応完了安定状態。反応は活発に進みますが、冷却能力を超えると熱暴走に繋がる高エネルギー状態。
Dr.WataWata Insight:

化学プラントの設計において最も警戒すべきは「熱暴走」です。これを未然に防ぐためには、安全な鎮火状態(Root 1)と危険な反応完了状態(Root 3)の間にある、「ここを超えると暴走が始まる」という境界線、すなわち不安定なサドルポイント(Root 2)を正確に把握しなければなりません。
サドルポイントは物理的に留まることができない不安定な状態であるため、一般的なソルバーでは捕捉が困難です。本エンジンを用いてこれら3つの状態を漏れなく、かつ高速に特定できた事実は、複雑な産業的安全性解析に対する十分なポテンシャルを示しています。

3. 解析環境

  • 解析エンジン: MAL-Seeker (Project Bellatrix V1.0.0 / C言語)
  • PC: MacBook
  • OS: macOS Monterey 12.7.6
  • CPU: 1.2GHz デュアルコア Intel Core m5
  • メモリ: 8GB