PHCpack Benchmark Test 4
追加18問題の記録と、残した1解
2026.09.13 · Project Bellatrix V1.0.4
1. 今回の一区切り
既存の第1〜3報に掲載した問題と照合し、未掲載の18問題をまとめました。Katsura系の高次元化、H方程式、化学・設計の問題を経て、極配置問題まで進んだ記録です。
採用した計算結果の解数は17問題で設定目標に一致しました。pole27sysは429参照解すべてと照合できましたが、pole34sysは462解中461解でいったん中断します。表の解数一致と、参照解との個別照合は区別しています。
2. 未掲載18問題の結果
| 問題 / 原典 | 目標解数 | 記録解数 | 採用実行(秒) | 方法・状態 |
|---|---|---|---|---|
| noon6 | 717 | 717 | 23.701029 | 6複素変数。ホモトピー+Newton探索。目標717は入力設定による。 |
| katsura6 | 64 | 64 | 0.114751 | 総次数ホモトピー。7複素変数。 |
| katsura7 | 128 | 128 | 0.261169 | 総次数ホモトピー。8複素変数。 |
| katsura8 | 256 | 256 | 0.629602 | 総次数ホモトピー。9複素変数。 |
| katsura9 | 512 | 512 | 1.646057 | 総次数ホモトピー。10複素変数。 |
| katsura10 | 1,024 | 1,024 | 5.176042 | 総次数ホモトピー。11複素変数。 |
| chandra4 | 8 | 8 | 0.163751 | H方程式。スケーリング+多斉次構造。 |
| chandra5 | 16 | 16 | 0.815407 | H方程式。スケーリングした実数系。 |
| chandra6 | 32 | 32 | 27.127342 | H方程式。スケーリングした実数系。 |
| chemkin | 40 | 40 | 0.701867 | 化学反応速度の定常系。10複素変数。 |
| filter9 | 192 | 192 | 294.178287 | フィルタ設計。9複素変数、多斉次構造。 |
| kotsireas | 84 | 84 | 32.120260 | 天体力学の系。6複素変数。 |
| utbikker | 36 | 36 | 0.134043 | 消去計算のテスト系。4複素変数。 |
| pb601 | 15 | 15 | 4.609932 | 縮約した2複素変数から元の3変数を復元。残差に注意。 |
| pb601es | 15 | 15 | 0.233706 | 方程式スケーリング版。特異解を含む。 |
| pb601vs | 15 | 15 | 0.093864 | 変数スケーリング版。縮約後に座標を復元。 |
| pole27sys | 429 | 429 | 0.029259 | 429参照解と照合。時間は統合後の再検証のみ。 |
| pole34sys | 462 | 461 | 70.392875 | 未完:参照解158が未捕捉。時間は最後の局所探索のみ。 |
時間は採用した実行ログの Execution Time です。試行錯誤や以前の探索を合算した時間ではなく、PHCpackとの速度比較でもありません。特にpole27sysの0.029259秒は、既に集めた解の再検証時間です。
3. 429解の照合と、残った1解
pole27sys:429 / 429。14本の2次方程式からなる極配置問題です。複数の探索結果を統合して重複を除き、429個の異なる実数解を参照解と照合しました。元の方程式の最大残差は50桁Decimal評価で8.2927 × 10−14、参照解への最大距離(最大値ノルム)は6.7763 × 10−11でした。
pole34sys:461 / 462、未完。12本の3次方程式を、変数スケーリングや方程式の直交化、再開探索を組み合わせて解析しました。461個の異なる実数解を参照解と照合できましたが、参照ID 158が未捕捉です。元の方程式の最大残差は50桁Decimal評価で9.6083 × 10−11、参照解への最大距離は8.3603 × 10−6でした。
最後は既存461解の周囲に44,256個の摂動初期値を追加しましたが、新しい解は増えませんでした。70.392875秒はこの局所探索だけの時間です。ここで同じ探索の繰り返しを止め、残る1解を今後の課題として記録します。
4. 解数と残差を読む際の注意
pb601・pb601es・pb601vsは同じ問題のスケーリング違いとして別々に記録しています。保存された原典・READMEでは18経路のうち3経路が失敗または終点条件を満たさないため、目標を15としています。18個の有効解を得たという意味ではありません。
復元した座標での最大残差 は、pb601が9.53674 × 10−7、pb601esが3.51503 × 10−15、pb601vsが3.50645 × 10−7です。それぞれ異なるスケーリングの方程式に対する値で、同じ精度基準による達成とは扱いません。特異解を含むため、近接候補の重複判定にも注意が必要です。
ソルバーが記録する誤差は実際に解いた入力系の指標です。縮約・スケーリング前の残差とは限りません。本ページは保存済み計算の報告であり、解の完全性を数学的に保証する証明ではありません。今回ソルバーの再実行は行っていません。