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Five-Node Tunnel-Diode Ladder

【MAL-Seeker 回路方程式テスト】243個のDC動作点を持つ非線形ラダー

$$I_{TD}(v)=v^3-v$$ $$F_i=v_i^3-v_i+g_s(v_i-b_i)+g_c\sum_{j\in N(i)}(v_i-v_j)=0$$

5-Node Normalized Nonlinear Circuit Model
Expected Isolated Roots: 35 = 243 / Solutions Found: 243

1. 5個のトンネルダイオードが作る解の森

トンネルダイオードは、電圧を上げても電流が一時的に減少する負性抵抗領域を持つ非線形素子です。このベンチマークでは、その特徴を正規化した3次式 $I_{TD}(v)=v^3-v$ で表し、5個のノードを弱く結合したラダー回路を構成しました。

結合がないとき、各ノードにはおおよそ $-1, 0, 1$ の3状態があります。5ノードの組合せは $3^5=243$。弱い結合と小さなバイアスで各点がずれても、243個の孤立したDC動作点が残るよう設計されています。

B-Source SPICE3f5 Netlist
Five-node tunnel-diode ladder

Vb1 b1 0 -0.06
Vb2 b2 0  0.03
Vb3 b3 0  0.00
Vb4 b4 0 -0.03
Vb5 b5 0  0.06

Rs1 n1 b1 50
Rs2 n2 b2 50
Rs3 n3 b3 50
Rs4 n4 b4 50
Rs5 n5 b5 50

Rc12 n1 n2 66.6666666667
Rc23 n2 n3 66.6666666667
Rc34 n3 n4 66.6666666667
Rc45 n4 n5 66.6666666667

Btd1 n1 0 I=V(n1)*V(n1)*V(n1)-V(n1)
Btd2 n2 0 I=V(n2)*V(n2)*V(n2)-V(n2)
Btd3 n3 0 I=V(n3)*V(n3)*V(n3)-V(n3)
Btd4 n4 0 I=V(n4)*V(n4)*V(n4)-V(n4)
Btd5 n5 0 I=V(n5)*V(n5)*V(n5)-V(n5)

.nodeset V(n1)=1 V(n2)=1 V(n3)=1 V(n4)=1 V(n5)=1

.op
.end

2. SPICEで用いた簡易モデル

ParameterValueDescription
Rbias = 1 / gs50Resistance from each node to its bias source
Rcouple = 1 / gc66.6666666667Resistance between adjacent nodes
b(−0.06, 0.03, 0, −0.03, 0.06)Five normalized bias values
ITD(v)v³ − vNormalized tunnel-diode current

SPICEには専用のトンネルダイオード素子が用意されていないため、B電流源にはトンネルダイオードの簡易特性 $I=v^3-v$ だけを記述しています。バイアスへの接続と隣接ノード間の結合は、それぞれ $R_{bias}=50$ と $R_{couple}=66.6666666667$ の抵抗で表しました。SPICE3f5との互換性を保つため、拡張的なパラメータ/関数構文は使わず、値と3次式を直接記述しています。この構成のKCLは、実際にMAL-Seekerで解析した方程式と一致します。

$$I_{TD}(v)=v^3-v$$ $$F_i=I_{TD}(v_i)+g_s(v_i-b_i)+g_c\sum_{j\in N(i)}(v_i-v_j)=0$$

境界ノードは隣接先が1個、内側のノードは2個です。たとえば中央ノードは次の式になります。

$$v_3^3-v_3+0.02(v_3-0)+0.015\{(v_3-v_2)+(v_3-v_4)\}=0$$

値はすべて正規化されています。ネットリスト中の50と66.6666666667も正規化抵抗値であり、物理単位への換算は与えていないため、SI単位の抵抗値としては扱いません。

3. 243経路、243解、取りこぼしなし

243Expected Isolated Roots
243 / 243Homotopy Paths Succeeded
243Real Solutions Found
9.26×10⁻¹⁴Maximum |Imaginary Part|
RunMethodExpected RootsSolutions FoundRun Time (sec)
Direct real searchFive real variables2432430.308423
All-root verificationComplex-expanded total-degree homotopy2432430.054863

直接実数探索では243個の有効解を捕捉しました。さらに複素数へ展開した系に総次数ホモトピーを適用すると、243本の経路がすべて成功し、同じ243解へ到達しました。最大虚部は約 $9.26\times10^{-14}$ で、数値誤差の範囲です。現在の係数では全243解を実数解とみなせます。

4. 解析環境

  • Analysis EngineMAL-Seeker (Project Antares Ver 3.1.6)
  • Development ProjectProject Bellatrix V1.0.4
  • ComputerMacBook Pro (Mac17,2)
  • OSmacOS Tahoe 26.4 (Build 25E246)
  • CPUApple M5, 10-core (4P + 6E), arm64
  • Memory32 GB
Dr.WataWata Insight:

1ノードなら3状態でも、5個をつなぐだけで候補は243通りになります。回路の規模は小さいのに、動作点の数は指数的に増える。直接探索で見つけた243解を、複素領域の243本の経路追跡でもう一度照合できたことで、「たくさん見つけた」から「全体を押さえた」へ一歩進めた例になりました。