2つの料金プランは、どこから高低が逆転するのか?
~一次関数で「自分に合ったプラン」を見つける~
1. The Question:どちらのプランが安い?
スマートフォンや動画配信などでは、基本料金の安いプランと、使用量に応じた料金が安いプランが用意されていることがあります。
今回は、計算を分かりやすくするために、次の架空のスマートフォン料金を考えます。
| Plan | Basic Fee | Usage Fee |
|---|---|---|
| Light Plan | 1,000円 | 1GBにつき200円 |
| Flat Plan | 2,500円 | 1GBにつき50円 |
ほとんど使わないならLight Planが安そうです。しかし、使用量が増えればFlat Planの方が有利になるはずです。どこで料金の高低が逆転するのでしょうか。
2. Price Formula:料金を式にする
1か月のデータ使用量を $x$ GB、料金を $y$ 円とします。
Light Plan
Flat Plan
どちらも $y=ax+b$ の形をした一次関数です。$b$ は何も使わなくても必要な基本料金、$a$ は1GB増えるごとに加わる料金を表します。
3. Comparison:いくつか計算してみる
| Data Usage | Light Plan | Flat Plan |
|---|---|---|
| 0GB | 1,000円 | 2,500円 |
| 5GB | 2,000円 | 2,750円 |
| 10GB | 3,000円 | 3,000円 |
| 15GB | 4,000円 | 3,250円 |
5GBではLight Planが安く、15GBではFlat Planが安くなっています。そして10GBでは、どちらも3,000円です。
4. Intersection:料金が等しくなる点
料金が逆転する境目では、二つの料金が等しくなります。
10GB使ったとき、両方の料金は3,000円になります。この点が、二本の一次関数の交点です。
10GBより少ないならLight Plan、10GBより多いならFlat Planが安くなります。10GBちょうどでは同額です。
Light Planは出発点が低い一方、直線の傾きが大きくなっています。Flat Planは出発点が高い代わりに、傾きが緩やかです。
5. General Formula:どんな料金プランでも使える形
二つの料金を次のように表します。
$a,c$ は基本料金、$b,d$ は使用量1単位あたりの料金です。両者が等しくなる点は、
で求められます。ただし $b=d$ のとき、二本の直線は同じ傾きになります。基本料金が違えば平行になり、料金の高低は逆転しません。
6. Subscription Example:利用回数で考える
ある施設に「月額500円+1回300円」のBasic Planと、「月額2,500円」のUnlimited Planがあるとします。
計算上の交点は約6.67回ですが、利用回数に0.67回はありません。そのため、実際には7回以上利用するならUnlimited Planの方が安くなります。数学で求めた交点を、現実の単位に合わせて解釈する必要があります。
7. Real-World Conditions:現実の料金表
実際の料金には、段階制、上限料金、端数処理、期間限定割引、税金、解約金などが加わることがあります。この場合、料金全体を一本の直線では表せません。
それでも、まず「基本料金」と「使用量に応じて増える料金」に分けると、比較の仕組みが見えやすくなります。
8. Dr.WataWata's Insight
「安いプラン」ではなく「自分の使い方で安いプラン」を探す
広告に「月額1,000円から」と書かれていても、それは使用量が少ない場合の話かもしれません。反対に、基本料金の高いプランも、たくさん利用する人には割安になります。
学校で習う二本の直線の交点は、グラフ上の抽象的な点ではありません。それは「ここから先は、別のプランの方がお得になる」という、生活の中の境界線なのです。